非エンジニアがAIツールを渡り歩いて、Claude Codeに落ち着くまで
生成AIを使い始めてから、気づけば半年以上いろんなツールを渡り歩いていた。ChatGPTから始まって、Claude、Gemini、Grok、Copilot……。「これだ」と思っては乗り換え、また戻り、を繰り返してきた。
この記事は、非エンジニアの自分がどんな順番でAIツールを試して、なぜ乗り換えて、最終的にどこに落ち着いたかの記録。
やってみた理由
最初にChatGPTを使い始めたとき、パソコンでできることが一気に広がった。「調べて→理解して→やってみる」が「AIに聞いて→やってみる」に変わって、作業のハードルが下がった。
ただ、ChatGPTでの作業はひたすらコピー&ペーストの繰り返しだった。AIの回答をコピーして、ターミナルやエディタに貼って、結果をまたコピーしてAIに渡して……。この「コピペ地獄」にだんだん疲れてきた。
もっと楽にAIを使えるツールがあるんじゃないか。そう思って、いろんなサービスを試し始めた。
やったこと
半年以上かけて、9つのフェーズを経験した。
1. ChatGPT:コピペ地獄の始まり
最初に使ったAIはChatGPT。できることの多さに感動したけど、作業スタイルはコピペの繰り返し。テキストベースのやり取りだから仕方ないとはいえ、だんだん疲れてきた。
2. Claude初体験(MCP連携期):可能性は感じたが撤退
ちょうどMCP(Model Context Protocol)が出始めた頃にClaudeを試した。
- MCPでWindowsを操作できる
- Blender MCPでBlenderを操作できる
こういう情報に惹かれて使ってみたけど、実際にはMCPを活かすアイデアが浮かばなかった。Blenderを操作させても細かい作業ができず、期待ほどは活用できなかった。
コスト面も課題だった。当時はClaude Proを契約していたけど、使用上限がすぐに来てしまい、やりたいことの途中で止まることが多かった。数ヶ月試した末、ChatGPTに戻った。
3. ChatGPT音声モード:通勤時間が変わった
ChatGPTに戻ったタイミングで、ボイスモード(Advanced Voice Mode)の性能が上がっていた。
通勤中は運転しているからスマートフォンを触れない。でも音声モードなら会話しながら運転できる。調べ物も、アイデアの壁打ちも、運転しながらできるようになった。AppleとOpenAIの提携発表もあって「これは便利になるな」と期待していた。
4. Gemini試用:音声がダメだった
Apple×OpenAI連携がなかなか進まないのと、Googleエコシステムへの関心から、一時的にGeminiに移った。
コンテキスト量(扱える文章量)は確かに多かった。でも会話のイントネーションや話の流れが不自然で、通勤中の音声会話には向かなかった。Googleサービスとの連携も、自分の使い方ではうまく活用できなかった。
この経験で「自分にとって音声の自然さは優先度が高い」ということがはっきりわかった。
5. ChatGPT+Grok並行期:X連携の情報鮮度が魅力
ChatGPTに戻ったところで、Grok(xAI社のAI)が話題になっていた。
Grokの音声会話はChatGPTと同等レベルで滑らかだったし、「Xで調べて」と言うと比較的新しい投稿から情報を引っ張ってくるのが気に入った。ただXプレミアム加入が必要で、コストが割高。契約までは踏み切れなかった。
この時期は、通勤中はChatGPTかGrokの音声、PCが触れるときはテキストで検索・会話、という使い分けをしていた。
6. Microsoft 365 + Copilot:Office込みのコスパ
Excelを少し使いたい時期が来たけど、そのためだけにサブスクするのはもったいない。そこで見つけたのがMicrosoft 365 Premium。Office(Word・Excel・PowerPoint等)とCopilot(Microsoft版AI)がセットで使えるプランだった。
CopilotのバックエンドはGPT-4系だから品質は問題ない。使ってみたら予想通りChatGPTとほぼ同じ感覚で、Officeも使えるぶんコスパがいい。ここでCopilotに切り替えた。
7. Gemini再試用→Claude Codeとの出会い
Geminiのアップデートが話題になって再度試した。性能は上がっていたけど、自分の使い方では持て余す感覚があった。
ただ、Gemini Proの契約にAnthropicのClaude(アンチグラビティ経由)が利用できる枠があった。触ってみたところ、驚いた。
- コード生成がとにかくスムーズ
- やりたいことへの理解度が段違い
- UIと操作感が踏み込みやすい
ここで使えるモデルの中にClaude Codeがあることに気づいて初めて本格的に使った。ChatGPTでは感じられなかったコード生成の質と、こちらの意図をくみ取る力に、Claudeのすごさを改めて実感した。
8. Claude Pro再契約:二刀流体制へ
アンチグラビティ経由でClaude Codeを使い倒したあと、やはり使用上限の問題が出てきた。「アンチグラビティ経由で使い続けるより直接契約したほうが効率的」と判断して、Claude Proを再契約。
- 普段の会話・Office連携 → Copilot
- コード生成・環境構築 → Claude Code
この二刀流に落ち着いた。
9. Claude Code定着:毎日使うツールに
導入当初はターミナル操作に不慣れだったけど、Claude Code自体に操作方法を聞きながら、Copilotで補足検索しながら進めることで、こんなことができるようになった。
- ブログをWordPressからAstro v5に移行
- OCR→TTSパイプライン(PDFを音声化する自動処理)を構築
- ComfyUIなど各種AI環境の構築
今ではほぼ毎日Claude Codeに何かしら依頼している。
結果
約9ヶ月かけて試したAIツールと、最終的な使い分けはこうなった。
| 用途 | ツール | 理由 |
|---|---|---|
| 通勤中の音声会話 | Copilot(iPhone)/ Grok(無料版) | 音声の自然さ+手軽さ |
| Office連携・日常検索 | Copilot | Office込みでコスパがいい |
| コード生成・環境構築 | Claude Code | 意図の理解度とコード品質が段違い |
1つのツールで全部済ませようとして何度も失敗した結果、「用途別に使い分ける」のが自分には合っていた。ChatGPTは結局解約して、音声会話はCopilotのiPhoneアプリとGrokの無料版に落ち着いた。
うまくいった点
音声の重要性に気づけたこと。 いろいろ試して回り道したけど、「通勤中の音声会話が自分にとって一番大事な機能」だとわかったのは大きかった。これがわからないまま性能だけで選んでいたら、もっと迷走していたと思う。
Claude Codeが転機になったこと。 正直、最初にClaudeを試したときは「使いこなせない」と思って離れた。でもGemini経由で再び触れたとき、自分のスキルも環境も変わっていて、ちゃんと活用できた。タイミングって大事だと思った。
コピペ地獄から脱出できたこと。 ChatGPTで感じていた「コピペの繰り返し」から、Claude Codeのターミナル直接操作に変わったことで、作業効率が明らかに上がった。
失敗・課題
使用上限との戦いが続いたこと。 Claudeの最大の壁はずっとこれだった。やりたいことの途中で上限に達して止まる体験は、かなりストレスだった。今でも意識的にコンテキスト管理をしないと同じ問題が起きる。
エージェントチームの失敗。 Claude Code+ChatGPT+Geminiで「エージェントチーム」を組んだ時期があった。松尾研究所のエージェントオーケストラの考え方を参考にしたけど、コンテキストの消費が激しすぎて実用的ではなかった。今はClaude Code単体に戻している。
MCP活用のアイデア不足。 MCPの技術的な可能性は感じていたのに、自分の生活や仕事にどう活かすかのアイデアが出なかった。ツールの性能と自分の活用力のギャップを痛感した。
次にやること
- CLAUDE.mdとSkillsの最適化 — Claude Codeの設定ファイルをちゃんと整理して、毎回のセッションの精度を上げる(次の記事で詳しく書いた)
- 音声入力ワークフローの確立 — 通勤中の音声会話で出たアイデアを、帰宅後にClaude Codeで実装する流れを仕組み化したい
- MCPの再挑戦 — 環境が整った今なら、MCP連携でもっとできることがあるはず
この実験で使ったサービス
| サービス | 用途 | 現在の利用状況 |
|---|---|---|
| ChatGPT Plus | 音声会話・汎用AI | 解約済み(現在はCopilot/Grokで代替) |
| Claude Pro | Claude Code利用 | メイン契約 |
| Microsoft 365 Premium | Office+Copilot | 継続利用中 |
| Gemini Pro | 大容量コンテキスト | 解約済み |
| Grok (X Premium) | X連携検索 | 未契約 |